文部科学省学術フロンティア推進事業
「外濠から見た水の東京展 −歴史・エコ廻廊をめざして−」 展示会 |
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外濠は江戸城の外郭であるとともに、江戸を支える水のシステムの中心でした。それは古来より形成されてきた東京圏の水系の要となる位置を占めていたからです。縄文時代以前、多摩川、荒川、利根川は「古東京川」として1本の川となり、後の江戸城直下の東京湾に至っていました。江戸期以降、荒川、利根川がつくりだした広大な低地には数多の運河網が張り巡らされ、全て江戸城下に結ばれました。多摩川がつくった武蔵野台地には玉川上水とその分水網が整備され、これも江戸城の外濠につながっていました。これらの水系を束ねる地下水もまた、古東京川の広大な流域全体に広がっていました。人々はこうした水系に依存し、また制御しつつ生きてきました。放射状にまた環状に広がる水系は江戸城を中心とした広大な「水網都市」を形成してきたのです。源流の山々を連ねる最も外側に位置する水の輪に対して、内濠、外濠はその水の輪の中心なのです。
今日でも外濠は東京の都心部を画す水の廻廊となっています。しかし、水質の悪化や利用上の改善課題があり、それは東京の水辺再生の象徴でもあります。これからの東京圏のあり方を展望する時、その歴史的、エコロジカルな背景を踏まえる必要があります。法政大学エコ地域デザイン研究所の活動は、こうしたエコヒストリーの視点にもとづく地域再生を目指しています。法政大学が面する外濠の再生から解き起こし、東京圏全体の水系再生をめざすべくこの展示会を開催しました。そして、東京圏における「歴史・エコ廻廊」の提案を試みます。どうぞ展示会場に足をお運び頂き、シンポジウムの議論にもご参加ください。 |
日時 |
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展示会(第1会場) 2008年4月10日(木)〜4月16日(水) |
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プレ展示(第2会場) 2008年3月29日(土)〜4月10日(木) |
場所 |
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法政大学 (第1会場)市ヶ谷本校外濠校舎1階メディアラウンジ |
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(第2会場)市ヶ谷田町校舎(デザイン工学部)地階(造形模型製作室) |
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◆このほかにも様々な場所でユビキタスを活用した同時多発の情報展示を行います。 |
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◆4月13日にシンポジウムが開催されます ※上記参照 |
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◆参加費は、展示会、シンポジウムとも無料です。 |
展示概要 |
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<外濠>江戸城を囲む内濠、外濠、その豊かな景観、文化を育んでいる最新の状況を示しつつ、大きな課題であるお濠の再生を取り上げ、かつて玉川上水が導かれていた元のシステムに立ち返って水系再生を考えます。外濠再生への取り組みは、外濠に面する法政大学にとっても大きなテーマです。地域の様々な再生への活動がある中で、千代田区と連携したエコ研による「千代田学」の取り組みなどを示します。 |
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<東京圏>低地や都心では、運河や日本橋の再生、ベイエリアの再生などを取り上げます。台地では日野や国分寺、小金井、杉並の地域活動、野川の湧水保全活動、玉川上水の再生などを紹介します。さらに多摩川や荒川、利根川の源流との連携など、エコ研の地域との関わりを示します。 |