法政大学エコ地域デザイン研究センター「2021年度報告会」を開催しました(2022年2月24日)※終了

法政大学エコ地域研究センターでは以下の通り恒例の年度報告会を行いました。

 今年度もCovid-19の状況が読めないことからオンライン(ZOOM)による実施となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。毎年度,研究者・学生だけでなく一般にも公開しておりますのでご関心をお持ちの方はぜひ次回の報告会にご参加ください。例年2月開催です(事前申込制を予定)。

日時:2022年2月24日(木)13時開始
主催:法政大学エコ地域デザイン研究センター
後援:総合資格学院

(プログラム)
13:00 
はじめに 岩佐明彦(法政大学デザイン工学部教授/センター長)

13:10
研究成果報告
○南春香(網野研):学校林とそれを取り巻く環境の調査および学校林更新の提案 
○小野寺一貴(網野研):平地林の変遷と都市空間における自走的活用手法について
○野市将太(樋渡研):石見銀山街道と結びついたテリトーリオに関する研究
○太田結貴(樋渡研):遠賀川流域における石炭産業で形成されたテリトーリオの変遷に関する研究
○三木歩嵩(福井研):近世以前の佐原テリトーリオに関する研究
○原 聖剛(岩佐研):都市との接続性に着目した河川空間のオープン化事業の分析

15:00
第2部「テリトーリオの日本的展開」 司会進行:岩佐明彦(上掲)
○イントロダクション:陣内秀信(法政大学特任教授)(10分)
○秋田におけるテリトーリオ 小杉栄次郎(秋田公立美術大学教授)(40分)
○ディスカッション(40分)

パネラー:陣内秀信(上掲)、小杉栄次郎(上掲)
樋渡彩(近畿大学講師)、木村純子(法政大学経営学部教授)、小島聡(法政大学人間環境学部教授)

16:30 閉会

【開催報告】第14回外濠市民塾を開催しました

【開催報告】第14回外濠市民塾を開催しました

【開催報告】第14回外濠市民塾を開催しました(2021年10月27日)

 2021年10月27日(水)、外濠市民塾としては3回目のオンラインイベントとなる第14回外濠市民塾オンラインレクチャー「タイムトリップ・江戸から東京へ─千代田と江戸城外堀の風景─」を開催しました。後藤宏樹さん(元千代田区立日比谷図書文化館学芸員、早稲田大学人間総合研究センター研究員)にご講演いただき、福井恒明・法政大学教授(エコ地域デザイン研究センター兼担研究員・江戸東京研究センター兼担研究員)の司会で進行しました。

 後藤さんは江戸城の歴史について大変造詣が深く、千代田区立日比谷図書文化館で開催されている「日比谷図書文化館開館10周年記念特別展 タイムトリップ 江戸から東京へ ~資料で綴る千代田の風景~」(会期2021年10月22日〜12月19日)の監修をなさっています。今回は、江戸城外堀跡とはどのような史跡かを図面や写真と共にわかりやすくご紹介いただいたのち、千代田区・新宿区・港区が作成した「史跡 江戸城外堀跡保存管理計画(平成20年3月)」に記載されている外濠および周辺地域の価値と将来像、さらに外濠に関する遺構についてご説明いただきました。ご講演の最後には江戸城の全体の価値を伝えることの重要性と、そのために取り組んでいる活動についてもご紹介いただきました。

 参加者は主催者を含めて最大48名でした。

 なお,当日の録画を2021年11月末まで限定公開いたします。参加いただけなかった方はぜひご覧ください。※終了

【開催報告】第13回外濠市民塾オンラインレクチャー

【開催報告】第13回外濠市民塾を開催しました(2021年7月21日)

 2021年7月21日(水)、第13回外濠市民塾オンラインレクチャー「外濠150年―未完の都市計画公園としての外濠変遷―」を開催しました。前回に引き続きオンラインイベントとして開催しました。小藤田正夫さん(元元千代田区役所職員・NPO法人神田学会理事)にご講演いただき、福井恒明・法政大学教授(エコ研兼担研究員・江戸東京研究センター兼担研究員)の司会で進行しました。

 小藤田さんは千代田区に関する膨大な古写真、古地図、図面、絵はがき等をお持ちです。今回はその中から外濠に関する資料を選んでご紹介いただきました。幕末から昭和戦前期を中心に、明治初期の外濠の状況、外濠を利用して甲武鉄道(現JR中央線)が敷設されていく様子、東京市(当時)による外濠公園計画の貴重な図面などをご紹介いただきました。その上で、現在の外濠をよりよくするためには行政上の管理の仕組みが複雑であることをご指摘いただきました。

 参加者は主催者を含めて最大56名でした。

録画公開は終了いたしました。(2021/09/01)

第13回外濠市民塾報告書はこちら

【開催報告】第二回気候変動と雨水活用シンポジウム「雨水活用の普及と基準や制度を考える」

【開催報告】第二回気候変動と雨水活用シンポジウム「雨水活用の普及と基準や制度を考える」

2021年5月13(木)、第二回気候変動と雨水活用シンポジウム「雨水活用の普及と基準や制度を考える」を開催した。主催は、昨年と同じく、法政大学エコ地域デザイン研究センター、一般社団法人日本建築学会あまみず普及小委員会、公益社団法人雨水貯留浸透技術協会、特定非営利活動法人雨水まちづくりサポートの4団体に雨水基準制度研究会を加えた5団体による共催で実施された。シンポジウムの会場は、当初、日比谷図書文化館大ホールにて開催予定であったが、コロナ禍のなか緊急事態宣言を受けて完全リモート方式に変更した。

【シンポジウム】

シンポジウムはZOOMウェビナー方式で行われ、参加登録者は270名で、開催中の最大参加数は250名であった。予想より多く、地域も全国からの参加があった。昨年の第一回の際は130名ほどの参加者数であったが、大きく増えた要因としては、リモート方式にしたこともあるが、この1年で気候非常事態宣言やグリーインフラの盛り上がり、流域治水プロジェクトなど、国策レベルでの雨水を取り巻く社会情勢が大きく変化したことによる関心の高まりがあったと感じられた。

リモート方式としたことで、シンポジウムの構成を二部に分け、第一部は事前動画配信とした。第二部はパネルディスカッションを主としてコンパクトに納めた。リモートによる一般参加者はQ&Aで議論に参加することとした。

 <事前収録・事前配信>

挨拶:国土交通省水資源部水資源政策課長 藤川眞行 

開催趣旨説明:NPO雨水まちづくりサポート理事長 神谷 博

基調講演1:「気候変動を踏まえた都市浸水対策と雨水の活用」/古米弘明(東京大学教授)

基調講演2:「ドイツにおける気候変動適応策とSDGsの動向」/ パスカル・グードルフ氏(ECOS JAPAN

西日本事務所代表)

特別報告:「欧州における雨水活用規格の動向」/小川幸正(NPO雨水まちづくりサポート副理事長)

報告1「雨水活用の計画と設計」/向山雅之(竹中工務店)

報告2「雨水活用の水量と水質」/岡田誠之(東北文化学園大学名誉教授)

報告3「雨水活用の製品技術」/屋井裕幸(雨水貯留浸透技術協会常務理事)

<当日会場報告>

  趣旨説明/神谷 博(NPO雨水まちづくりサポート理事長)

報告要旨1「雨水活用の計画と設計」/向山雅之(竹中工務店)

報告要旨2「雨水の水量と水質」/岡田誠之(東北文化学園大学名誉教授)

報告要旨3「雨水の製品技術」/屋井裕幸(雨水貯留浸透技術協会常務理事)

  パネルディスカッション/「雨水基準・制度の目指す方向性」

登壇者:向山雅之、岡田誠之、屋井裕幸

   コメンテーター:古米弘明、パスカル・グードルフ、小川幸正、村川三郎、笠井利浩、福岡孝則

   コーディネーター:神谷 博

【成果】

シンポジウムの構成を二部に分けたことにより、第二部のパネルディスカッションを主として議論を深めることができた。登壇者以外の参加者もQ&Aで議論に参加し、活発な意見交換を行うことができた。この1年の活動で準備した「雨水活用の手引き」(素案)を示し、意見を求めるとともに、シンポジウム後に始める第2期の雨水基準制度研究会への参加を呼び掛けた。また、登録時と終了後にアンケートを実施し、第二期の活動に向けた準備を整えることができた。こうした活動により、雨水活用の民間基準を整え、自治体の雨水施策の制度整備に寄与していく。

【開催報告】第11回外濠市民塾を開催しました。(2020年11月29日)

【開催報告】第11回外濠市民塾を開催しました。(2020年11月29日)

2020年11月29日(日)、第11回外濠市民塾「『外濠BAR』おぼんカウンター作成」を開催しました。第10回外濠市民塾(2019年8月7日)以来、コロナ禍での活動見合わせを挟んで1年3ヶ月ぶりの開催となりました。今回は一般に公開するイベントは見合わせ、感染対策を行った上で学生スタッフ(法政大学・東京理科大学・日本大学・東京都立大学)と、三輪田学園の生徒さんによる内部活動として実施しました(会場:Lowp(ロウプ))。

タイトルにある「おぼんカウンター」とは、外濠公園の柵にもたれながら軽い飲食をするための木製の台のようなもので、使用するときだけ柵にひっかけて使えるようになっています。これらは学生が何度か試作した上で設計を行いました。今回は三輪田学園の生徒さんに「おぼんカウンター」をペイントしてもらい、さらに外濠公園のどこでこれを使うとよいかという場所探索のフィールドワークを実施しました。

福井恒明・法政大学教授による開会挨拶のあと、学生スタッフによる進行説明を行い、3グループにわかれ、事前に学生スタッフが作成した「おぼんカウンター」に思い思いのペイントを施しました。

きれいに塗られたカウンターを持って外濠公園にフィールドワークに向かい、どんな場所でカウンターを使いたいか、その場所からどんな風景が見えるか、などを話し合いました。

会場に戻ってフィールドワークの結果報告を行い、外濠をどのように使いこなしていきたいか、自由な意見交換を行いました。

最後に、吉田珠美・三輪田学園高等学校校長、高道昌志・東京都立大学助教(エコ研客員研究員)、郷田桃代・東京理科大学教授、福井恒明・法政大学教授(エコ研兼担研究員)による挨拶で終了しました。

第11回外濠市民塾報告書(公開版)はこちら

【開催報告】気候変動と雨水活用シンポジウム&セミナー「ドイツ雨水規格から日本の雨水の基準と制度を考える」を開催いたしました(2020年2月19日)

【開催報告】気候変動と雨水活用シンポジウム&セミナー「ドイツ雨水規格から日本の雨水の基準と制度を考える」を開催いたしました(2020年2月19日)

 2020年2月19日(水)、気候変動と雨水活用シンポジウム&セミナー「ドイツ雨水規格から日本の雨水の基準と制度を考える」が開催されました。シンポジウム及びセミナーは、法政大学市ヶ谷校舎ボアソナードタワー26階スカイホール及びA会議室で行われ、参加者は118名でした。

【シンポジウム】
はじめに、内閣官房水循環政策本部事務局西口学参事官からご挨拶を頂き、続いて法政大学エコ地域デザイン研究センター長福井恒明教授よりご挨拶いただきました。趣旨説明は法政大学エコ地域デザイン研究センター客員研究員の神谷博が、「日本とドイツの雨水の基準・制度と雨水業の育成」と題して話しました、引き続き、基調講演としてドイツよりステファン・プラケッシェ氏(ドイツ雨水中水利用専門家協会副代表)をお招きして、「ドイツにおける雨水規格とその運用」についてお話しいただきました。通訳は、東京農業大学准教授の福岡孝則氏が行いました。

 次に事例報告が3題あり、報告1「日本建築学会の雨水ガイドライン及び規準」笠井利浩氏(福井工業大学教授)、報告2「雨水貯留浸透技術に関する基準等」屋井裕行氏(雨水貯留浸透技術協会常務理事)、    報告3「雨水利用の基準及び維持管理に関する行政・学会の動向」岡田誠之氏(東北文化学園大学名誉教授、NPO雨水まちづくりサポート副理事長)と続き、パネルディスカッションに移りました。
  パネルディスカッションは、「日本の雨水基準・制度の目指す方向性」をテーマとして、はじめに榊原隆氏(八千代エンジニヤリング)より「ISO雨水基準の動向」について話題提供がありました。これを受けて、福岡、笠井、、屋井、榊原の各氏が登壇し、コーディネーターは、神谷が務め、会場からの意見も交えて活発な意見交換が行われました。

【セミナー】
15:30からは会場をA会議室に移し、「日独雨水技術交流セミナー」を開催いたしました。冒頭に、国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源政策課総合水管理戦略室長の光橋尚司氏からご挨拶を頂きました。続いて、講演が2題あり、講演1として「ドイツの雨水技術」神谷博、講演2「日本の雨庭」森本幸裕氏(京都大学名誉教授・公益財団法人京都市都市緑化協会理事長)と続き、次に事例報告が4題ありました。事例報告1「横浜市のグリーンインフラの取り組み」横浜市環境創造局政策調整部三繩教明氏、事例報告2「京都市の道路雨庭の取り組み」京都市建設局みどり政策推進室緑化推進課長岩村謙次氏、事例報告3「武蔵野市の雨庭の取り組み」武蔵野市環境部長木村浩氏、事例報告4「世田谷区におけるグリーンインフラの展開」福岡孝則氏。

 シンポジウム、セミナーを通して熱気にあふれた展開で、この課題に対する参加者の関心の高さが伺えました。昨年の台風19号の被災以来、雨水管理に対する社会的な要請の高まりが感じられたシンポジウムとなりました。このシンポジウムの成果として、雨水基準制度研究会を立ち上げることも決まり、引き続きこの課題に取り組んで行くこととなりました。

【お知らせ】2019年度法政大学エコ地域デザイン研究センター 年度末報告会 を開催しました(2020年2月25日)

はじめに 福井恒明(法政大学デザイン工学部建築学科教授/センター長)

第1部
『テリトーリオ研究の展開――ヴェネツィアから瀬戸内へ』 樋渡 彩(近畿大学工学部建築学科講師)

『造船業からみた湊町 ー牛窓を中心とした瀬戸内テリトーリオー』
福地昂弥(法政大学大学院デザイン工学研究科建築学専攻 修士2年高村研究室) / コメント:陣内秀信(法政大学特任教授)

『フィールドサイエンティスト廣井敏男の環境思想と実践-狭山丘陵の里山保全運動の中心的存在-』 清水淳(エコ研客員研究員、北川かっぱの会代表) / コメント:小島聡(法政大学人間環境学部人間環境学科教授)

第2部 パネルディスカッション『テリトーリオの理論と実践の展開』
司会進行:福井恒明/岩佐明彦

・テリトーリオ概念の概要 / 福井恒明(法政大学デザイン工学部建築学科教授/センター長)
・ 低平地テリトーリオ(越後平野) 福井恒明+岩佐明彦(法政大学デザイン工学部建築学科 / 教授副センター長)
・ 瀬戸内テリトーリオ / 樋渡彩(近畿大学工学部建築学科講師)
・ 北関東地域:桐生地域で行った撚糸水車研究 / 堀尾作人(パシフィックコンサルタンツ㈱)
・ 天竜川のテリトーリオ(南信州~遠州)を探る / 石神隆(法政大学 名誉教授)
・ 斐伊川、島根半島地域の水辺とまち、浦、社   / 高見公雄(法政大学デザイン工学部都市環境デザイン工学科教授)
・ 浜離島テリトーリオ/離島(新島)  / ⾦⾕匡高(法政大学建築学科教務助手)
・都市テリトーリオ(都心) / 福井恒明
・江戸周辺テリトーリオ / 根崎光男(法政大学人間環境学部 教授)
・江戸・東京と周辺地域  / 馬場憲一(法政大学名誉教授)

≪パネリスト≫
陣内秀信 (法政大学特任教授)
小島聡 (法政大学人間環境学部人間環境学科教授)
高村雅彦 (法政大学デザイン工学部建築学科教授)
栗生はるか  (法政大学建築学科教務助手)

閉会 岩佐明彦 法政大学デザイン工学部建築学科教授 副センター長 

【開催報告】2019年度法政大学エコ地域デザイン研究センター 年度末報告会を開催しました(2020年2月25日)

【開催報告】2019年度法政大学エコ地域デザイン研究センター 年度末報告会を開催しました(2020年2月25日)

はじめに 福井恒明(法政大学デザイン工学部建築学科教授/センター長)

第1部
  『テリトーリオ研究の展開――ヴェネツィアから瀬戸内へ』 樋渡 彩(近畿大学工学部建築学科講師)

  『造船業からみた湊町 ー牛窓を中心とした瀬戸内テリトーリオー』 福地昂弥(法政大学大学院デザイン工学研究科建築学専攻 修士2年高村研究室) /  コメント:陣内秀信(法政大学特任教授)

   『フィールドサイエンティスト廣井敏男の環境思想と実践-狭山丘陵の里山保全運動の中心的存在-』 清水淳(エコ研客員研究員、北川かっぱの会代表) /  コメント:小島聡(法政大学人間環境学部人間環境学科教授)



第2部 
 パネルディスカッション『テリトーリオの理論と実践の展開』
  司会進行:福井恒明/岩佐明彦
 ・テリトーリオ概念の概要 / 福井恒明(法政大学デザイン工学部建築学科教授/センター長)   
 ・低平地テリトーリオ(越後平野)  /  福井恒明+岩佐明彦(法政大学デザイン工学部建築学科 / 教授副センター長)
 ・瀬戸内テリトーリオ / 樋渡彩(近畿大学工学部建築学科講師)
 ・北関東地域:桐生地域で行った撚糸水車研究 / 堀尾作人(パシフィックコンサルタンツ㈱)
 ・天竜川のテリトーリオ(南信州~遠州)を探る / 石神隆(法政大学 名誉教授)
 ・ 斐伊川、島根半島地域の水辺とまち、浦、社  / 高見公雄(法政大学デザイン工学部都市環境デザイン工学科教授) 
 ・浜 離島テリトーリオ/離島(新島)  / ⾦⾕匡高(法政大学建築学科教務助手)
 ・都市テリトーリオ(都心) / 福井恒明
 ・江戸周辺テリトーリオ / 根崎光男(法政大学人間環境学部 教授)
 ・江戸・東京と周辺地域  / 馬場憲一(法政大学名誉教授)

 ≪パネリスト≫
  陣内秀信         (法政大学特任教授)
  小島聡            (法政大学人間環境学部人間環境学科教授)
  高村雅彦         (法政大学デザイン工学部建築学科教授)
  栗生はるか   (法政大学建築学科教務助手)

閉会 岩佐明彦 法政大学デザイン工学部建築学科 / 教授副センター長 

 

  

  

   

15:15 

                            

 

 

17:30 (予定) 

【開催報告】2019年9月21日「御嶽山で語る畠山重忠~父と娘 玉川が紡ぐ魂の邂逅~」を開催しました

【開催報告】2019年9月21日「御嶽山で語る畠山重忠~父と娘 玉川が紡ぐ魂の邂逅~」を開催しました

(鶴巻育子撮影)

会場は武蔵御嶽神社の神楽殿で、参加者は約50名でした。はじめに、法政大学江戸東京研究センター(以下、ETos)の神谷博より挨拶があり、今回の開催趣旨について、玉姫神楽の公演に至る経緯などの説明がありました。

第一部の「玉姫神楽」は神楽殿にて披露され、参詣の方の参加もありました。
引き続き第二部に移り対談が行われ、御嶽神社前宮司の金井國俊さんと法政大学名誉教授の馬場憲一先生にお話しいただきました。
「玉姫神楽」は昨年の活動で3回公演し、今年は第3回目の公演で通算6回目となりました。この神楽は、山梨県小菅村に鎌倉初期から伝わる伝承をもとに創作したものです。主人公の玉姫は畠山重忠の娘とされていて、「玉川」の語源になったという物語です。御嶽神社には、畠山重忠奉納と伝えられる国宝の赤糸威大鎧があります。玉姫が入水した小菅村池の平の地にも、地元玉川地区の守護神社として御嶽神社があり、多摩川の流れが父娘の縁を紡ぐという趣旨で神楽を奉納いたしました。

第二部の対談では、先ず金井前宮司から赤糸威大鎧に関わる古文書のご披露がありました。神社に残されている重忠に関わる全ての文献について一つづつ解説を頂きました。文献上からは、確実に重忠が奉納したとわかるものはないとのことですが、後世にそう記された文書は多く残っているとのこと。江戸時代に将軍吉宗がこの鎧を江戸城に借りだした頃には重忠奉納ということが広く認知されたようです。

これを受けて馬場先生がさらにその背景なども含めて解説を加えました。馬場先生は「御嶽神社及び御師家古文書学術調査団」の団長でもあり、「重忠奉納鎧」伝承と社殿修復の関係について主にお話されました。資料上は畠山重忠奉納鎧の伝承は1700年代初頭に確認できるとのこと。1727年、将軍吉宗が重忠鎧などの神宝上覧を命じ、その後1734年にも上覧している。これが武蔵御嶽山を「武蔵国号社」として権威を高めるのに役立ったという。それが1743年社殿修復の資金調達にもつながった。畠山重忠奉納鎧の伝承は、結果的に武州御嶽山の権威化が図られ宗教的文化空間を維持することにつながったとのこと。

お二人の話題提供の後、神社の方々などの参加者も交えて意見交換が行われました。 ETos からは鳥越けい子先生も参加されました。また、玉姫伝承の伝承者である横瀬健氏も参加され、玉姫伝承についてのお話も直接聞くことができました。意見交換の中で、金井氏より「秩父鎌倉街道」という言葉も出てきて、玉姫の逃避行ルートがその裏道だったとみられることも分かりました。重忠鎧の伝承と玉姫の口伝、どちらも文献で裏付けを確定することはできませんが、こうした物語がまちづくりを創造してきたのではないか。それが心に火をつける原動力なのではないか、ということが結論でした。

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【開催報告】2019年8月17日「玉川の語源を探る夕べ」を開催しました

【開催報告】2019年8月17日「玉川の語源を探る夕べ」を開催しました

2019年8月17日(土)18:30~20:00、「玉川の語源を探る夕べ」が開催されました。
会場は二子玉川ライズ5階屋上の原っぱ広場で、参加者は約50名でした。はじめに、法政大学江戸東京研究センター(ETos)の神谷博より開催趣旨の挨拶があり、続いて第一部の「玉姫神楽」の披露がありました。引き続き第二部に移り対談が行われました。対談では、府中市郷土の森博物館館長の小野一之氏と法政大学文学部の小林ふみ子教授にご登壇頂きました。登壇とはいっても会場は芝生広場で観客席も筵敷きという屋外イベントでした。

「玉姫神楽」は昨年の活動で三回公演したのに引き続き、今年は第二回目の公演となりました。この神楽は、山梨県小菅村に鎌倉初期から伝わる伝承をもとに創作したもので、主人公の玉姫は「玉川」の語源になったとされています。神楽も現代に伝わる江戸時代の神楽ではなく、鎌倉初期の形式を再現することを試みています。丁度まわりが暗くなった時に始まり、照明も最小限として背景に幻想的な光を流す演出を施しました。

第二部の対談では、先ず小野館長から「多摩川、古代の風景を考える」と題して、「多摩川」と「玉川」どちらが古い? 多摩川と多磨、どちらが先? タマ川とタバ川はどんな関係? なぜタマ川の名前になったのか? など、興味深いお話を頂きました。歌枕の「六玉川」にも触れて、玉川は全国にも多く、自然発生しやすい名前でもあると指摘されました。最後に、多摩川の表記は多くあるが、一番古いのは玉川、とのことでした。
次にお話しいただいた小林ふみ子先生は、「玉川をめぐる江戸の文芸文化」と題し、「流域を歩いた文人、大田南畝から」というサブタイトルを付けて、南畝を軸に話を進められました。江戸時代の玉川は自然を楽しむ遊楽の地になっていた、文人的田園趣味の「郊行」があったとし、南畝の「玉川余波」より多くの引用を用いて解説されました。その中で、「水を治ることば」を紹介して玉川の姿を活き活きと示されました。古歌に詠まれる歌枕の地が、江戸期には心の俗塵を払う場所となり、治水の必要性という現実とともに生きていたことを語られました。

お二人の話題提供の後、対談というより掛け合いの意見交換があり、それぞれのお話を深めて頂きました。進行役の神谷からの質問も交え、予定時間をやや超えて終了いたしました。

閉会にあたり、後援を頂いた多摩川流域懇談会から国土交通省京浜河川事務著調査課長の斎藤氏よりご挨拶を頂きました。最後に、会場を貸していただいた二子玉川ライズとして東急電鉄の都甲課長よりご挨拶を頂きました。(神谷 博)