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第7回 日野プロジェクト勉強会
テーマ:「日野のまちづくり-3」
日時:2007年2月26日第1部15:00〜17:00 第2部17:15〜18:15
場所:法政大学小金井キャンパス西館6階都市デザイン工学科演習室6022
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報告者:香川博志(日野市まちづくり部区画整理課)
テーマ:「日野市の区画整理によるまちづくり」
区画整理事業は昭和29年の土地区画整理法制定により始まった。移転せずそこに住みながら都市整備ができる。換地や減歩が特徴である。減歩には道路や公園などの公共減歩や事業費の一部となる保留地減歩がある。土地の提供など地権者の協力なくして進まない。市施行では住環境を最低限確保するため最低130m2までは減歩ない。100坪までは減歩緩和がある。事業費は道路など公共施設がある場合は国庫など補助金がある。公共施設がない場合は市の負担となる。組合施行も助成金がある。保留地処分費も事業に当てる。補助金がないと減歩が強くなる。日野市では昭和32年の多摩平団地建設の為の公団の区画整理133haが初。市施行では平山台128haが初。17箇所680haが完了、事業中が市施行で4箇所、組合施行4箇所で294haである。昭和36年ごろから急激に人口が増え、ベッドタウン化したため、台地や丘陵地の開発が進みミニ開発もあった。道路整備や面的な整備のため区画整理事業を進めた。
日野市の区画整理は4つのテーマがある。(1)駅前にふさわしいまちづくり、(2)農あるまちづくり、(3)水辺を生かしたまちづくり、(4)多摩都市モノレールと調和したまちづくりである。(1)は豊田南で87ha、約440億の事業規模である。駅前広場を設け、崖線下の黒川水路、湧水はそのまま残し、豊田用水は付け替えもあるが部分的にそのまま残す予定。(2)の農あるまちづくりは西平山、東光寺上第1、2など。日野市の市街地内農地は平成15年段階では219haでその内生産緑地は138haある。東光寺上は農地、保留地を設けている。ファーマーズマーケットの構想もある。(3)は落川、百草駅北、新町などがある。落川では水路と公園を一体化した整備をおこなった。新町では水田と水路を一体化した公園を整備した。(4)は万願寺や高幡など。区画整理により道路を広げモノレール用地を確保した。万願寺駅周辺は駅が出来たことで商業化している。区画整理による3面コンクリートの深い水路は工夫の余地があったと思う。区画整理により水田がなくなるといわれるが、後継者不足が大きな要因。出来るだけ農地を残したいがやる人がいない。
川辺堀之内の区画整理は組合が立ち上がったばかり。平成20年3月には認可をとりたい。都市計画道路の計画がある。既にミニ開発が始まっている。狭い道路を広げ、竹林は残す予定。現在9haの生産緑地がある。豊田用水も都市計画道路にかかる部分を除き残す予定。
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報告者:小坂克信(日野市立日野第四小学校教諭)
テーマ:「地域素材の教材化−日野の用水」
豊田用水のある景観がかつての立川柴崎の景観を思い出され関心をもち、異動に伴い立川から日野市内小学校を希望し異動となった。平成7年に同僚の小学校教員5人と「用水の会」をつくり用水の教材化を始めた。それまで日野市では用水を教材として実践した事例がなかった。1年目は用水の実態調査を行い用水沿いを歩き、写真を撮り、聞き取りを行い、古文書や古地図を収集し、社会科の開発単元として玉川上水の発展形として日野用水を位置づけた。2年目は子どもたちが生き物に興味を持つことから社会科にこだわらず教材化に取り組んだ。当時は総合的学習はなく先行的試みであった。3年目は体験学習ということで、体験を通じ、用水に親しみ、考え、守り、活用しようということに取り組んだ。4、5年目は水路清流課の子供向け教材「用水であそぼ!」の編集協力を行った。各学校に配布しているが中には使っていない所もある。
日野市の用水の教材化の意義ついて4点ある。(1)市内に用水がまだ130Kmほど残っており、「水の郷」にも指定され、地域特色の一つであること、(2)生き物が豊富で自然と触れ合う体験が出来ること、(3)用水の始まりは記録的には1567年、発掘調査から8世紀ごろで、用水はそこに住む人々の生活を支えてきた歴史があり、文化財としての価値がある、(4)現在も用水保全のための組合、市民活動、行政など協力して取り組んでいることなどある。学校は全国共通の教育を学ぶと同時にその地域や学校でしか学べないことも提供する必要がある。学校は地域素材の開発や教材化、教育施設の活用や地域との交流を積極的に取り組む必要がある。日野の用水は、保全活用は人々の願いであり、人々の活動を学ぶことは子どものころからふるさと意識を育む教材として適している。2002年には総合的学習も始まり、それに合わせ組みなおしている。
日野第7小学校での指導計画の概略について紹介する。(1)導入として課題を持ち、(2)課題を調べ、(3)まとめ、発表するという流れとなっている。(1)は用水に入り魚やザリガニ捕りや豊田用水の探検などを行い、水田への配水や上流下流の汚れ具合などを見ていく。それから写真や地図から昔の様子なども知り時間・空間的な視野を広げる。(2)は課題別に分かれ、外に出て調べた。魚とりや歴史や利用についての聞き取りやパックテストなど行い調べる。親子で清掃活動も行った。(3)は課題ごとに表現方法を考え模造紙やOHP、紙粘土や実物、お芝居などで発表した。教材づくりで感じたのは、子供向けの教材が少ないということ、それは大人の関心が低いということである。現在は、教員が用水に関心があっても授業で用水に取り組むのが難しくなってきている。日野市内でも地域的な状況でも異なる。日野用水も上流はきれいなので東光寺小では関心高いが下流にある小学校では汚れているので関心が低い。
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