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「Monopoli−聖母が見守る海辺の都市−」

法政大学大学院エコ地域デザイン研究所
陣内研究室
2007年7月20日発行 A4横 120P

 「モノーポリは、海辺の都市が本質的にもつ都市の形成過程を明確に読み取ることができる価値ある都市である。市壁で都市の周りを堅固に囲む閉鎖性と交易のための港をもつ港湾都市の開放性、境界でもあり接点でもあるという、この相反するようにも見える海辺都市の二つの属性が、モノーポリのなかにともに刻み込まれている。
 こうした南イタリアの港町の特性は、歴史の観点から見ると興味深いが、都市の近代化にとっては障害となり、経済発展から取り残される一因ともなった。そのため数年前までは、歴史的旧市街は荒廃し、街は汚く治安は悪いというイメージが定着していた。
 ところが近年、時代の価値観が変わり、時代に取り残されていたはずの南イタリアのこの歴史的港町に活気が出始めている。観光客も増えた。しかし、一時的な集客や大規模な開発による観光事業などではなく、土地の歴史や文化に根ざした再評価の動きがそれを支えているのである。」(「はじめに」より)

[CONTENTS]
はじめに

第1章 都市の起源
第1節 先住民の生活
第2節 市壁の建設

第2章 都市の成立
第1節 街道からの人の流れ(11〜15世紀初頭)
     ビザンチン・ノルマン時代の城塞周辺
第2節 宗教空間
第3節 庶民住宅
 アルコ・オスクーロ通り
 市壁沿いの住宅
 ラルゴ・サンレオナルド
 キアッソ・サンレオナルド
 キアッソ・カルメラーノ
 フィスカイオーロ通り
第4節 市壁の拡張・運河の対岸の埋め立て
 埋め立てられた運河沿い

第3章 港町としての繁栄
第1節 市壁の併合
 港と「海の門」
 市壁上の地区
 市壁と一体となった住居群
第2節 広場の整備
第3節 貴族の住宅
第4節 修道院の建設
第5節 新市街

第4章 都市構造
第1節 モノーポリの住宅類型
第2節 街路の構成
第3節 マリア像から見る都市空間
第4節 海と都市との関係
 マリア像のいかだのプロセッション

第5章 モノーポリの都市再生
第1節 陸から海への再帰
第2節 近年におけるモノーポリの動き
 都市空間のスペクタクル
 旧市街における新たな機能の展開
 現状での海の使われ方

おわりに
 調査参加メンバー
 全体図
 参考文献

 

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