「日本の近代港町 その基層と空間形成原理の発見」
法政大学大学院エコ地域デザイン研究所
日本の港町研究会
2005年5月発行 A4横 177P
[CONTENTS]
はじめに
目次
第1章 坂と水際に潜む近代港町の歴史的固有性〜函館
1-1 港町・函館の近世から近代への変容構成
(1)近代港町の基層としての近世
江戸時代前期の函館
近世後期における港町としての発展プロセス
水際空間を描いた絵図を読み解く
水際に展開した河岸空間の特徴
(2)近代の土地に封印された有力商人の動き
杉浦嘉七の土地所有の軌跡
相馬氏の台頭
今日に結び付く3人の大規模土地所有者
(3)近代以降の水際空間の変化
幸坂下の水際空間
日和坂下と金森倉庫付近の水際空間
拡大する水際空間
1-2 神社と坂で結ばれた都市軸の発見
(1)山之上神社と幸坂
近代以降に埋め立てられた倉庫街空間構造
コンパクトシティとしての空間構造
多様な職種が層なよって住みわける空間構造
拡大再編した空間の変容プロセス
多層連鎖としての都市軸
(2)船魂神社と日和坂
基坂に集中する官の施設
基坂に隠れた真の都市軸の発見
(3)金森倉庫と銀座通り
高田屋嘉兵衛の威光とメインストリートの誕生
東京以北最大の「カフェー街」をつくりだした銀座通り
高田屋屋敷跡と護国神社下の花街
第2章 開港場・横浜の基層としての近世と近代都市形成の手法
2-1 開港場横浜の都市を読む視点
2-2 近世都市形成の文脈をベースにした横浜の都市骨格の形成
(1)弁天通りの存在意義
横浜村の立地と弁天社の成立
弁天社と横浜村の都市構造
(2)馬車道の存在意義
野毛村と横浜村
横浜村と神奈川湊
2-3 開港場・横浜のプラン
(1)近代港町建設の第1段階
(2)近代港町建設の第2段階
(3)近代港町建設の第3段階
2-4 近代港町・横浜の拡大
(1)弁天社の移転と伊勢佐木町周辺の発展
(2)野毛の発展
大岡川周辺の商業化
山の手の発展 信仰と邸宅の地
(3)馬車道を軸とした関内の近代化
(4)海から馬車道を辿る
海から海岸通りを中心とした海運・港湾施設の層
本町通りを中心とした金融・商業施設の層
弁天通りを中心とした商業施設の層
第3章 特異な地形の上に成り立つ二極構造の近代港町・小樽
3-1 複雑な地形を基層に発展した小樽の形成
(1)小樽の地形
(2)オタルナイ場所
(3)明治初期の拡大
(4)商業港としての小樽
3-2 二つの要素を持つ小樽繁栄の分析
(1)第1発展期 〜信香町の成立〜
(2)第2発展期 〜入船の充実〜
(3)第3発展期 〜都市機能の分裂〜
(4)第4発展期 〜二極構造の繁栄〜
(5)第5発展期 〜全盛期の終焉〜
3-3 都市発展における都市軸の発見
(1)住吉神社
(2)水天宮
(3)浅草寺
第4章 荒れ地に築かれた近代港町・門司〜中世と近世が潜む水辺都市形成の仕組み〜
4-1 中世に繁栄した港町・門司
4-2 調査のポイントを探す
近代港町の出発点を探る
バンドと背後の町並み
遊郭地を追って
港町に残された倉庫群は何を物語るのか
丘陵に延びるラビリンス空間へ
4-3 地先の港機能の空間変化(第一調査ポイント)
初代から二代目の門司港駅へ
桟橋通りの地先の空間変化
4-4 バンドを形成した町並みの特色(第二調査ポイント)
短いタイムスパンで継承される歴史性
海と平行に通された東西道路に見る二重構造
4-5 花街がつくりだす空間の仕組み(第三調査ポイント)
三者三様の花街像
現在に息づく花街の空間構造
4-6 近代倉庫群がつくりだした近代空間(第四調査ポイント)
いま一つの近代の出発点
塩田の痕跡に建つ倉庫群
4-7 旧集落を原点に持つ近代のラビリンス空間特性
(第五調査ポイント)
斜面と平坦地の際に展開する濃密な空間メインの路地を歩く
おわりに
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