エコプロジェクト(再生プロジェクト 地図情報学含)
研究計画
【エコプロジェクト1】
1.都市生態学(○神谷 博・菊地邦雄・Ekhart Haln・Suwattana Thadaniti)
(1) 目的:東京の水系を都市生態学の視点から把握し、環境再生計画の提案を行う
東京、ベルリン、バンコクの都市を比較解析しつつ東京の提案に導く
(2) 方法: [1]生態学的、生物的視点からの水系の解析(菊池)
[2]地理学的、水文学的な水系の解析(神谷)
[3]都市計画的、政治、経済的な水施策の解析(ハーン)
[4]歴史的、社会的、文化的な水・生活圏の解析(スワタナ)
(3) 対象地域: [1]東京・江戸及び首都圏・武蔵国(関東地下水盆の範囲)
[2]比較対照地域; ドイツ・ベルリンを主としたEU地域の首都、旧都
タイ・バンコクを中心としたアジア地域の首都、旧都
(4) 内容: [1]基礎データ及び問題状況の把握(主に2004年度)
国内及び海外の生態的都市構造の調査研究
水環境、水質サンプリング、植生・生態調査等
エコ再生の計画論とその実践の事例比較
[2]水系の総合解析(主に2005年度)
雨水循環系の切り口で比較分析;
河川、用水、上水、下水、地下水、生態水、雨水のエコバランス
[3]東京のエコ再生計画の提案)(2006年度)
雨水計画を主体とした水系再生プログラムの検討、立案
(5) 組織体制: 産官学民の連携、国際的な連携
[1] 産業界:タニタハウジングウエア、東洋紡エンジニアリング、ECOS他
[2] 行政関係:国土交通省京浜河川事務所、東京都河川局、都市基盤整備公団他
[3] 学際連携:慶応大学、早稲田大学、都立国際高校他
[4] 市民団体:水みち研究会、みずとみどり研究会、雨水市民の会他
[5] 国際連携:ドルトムント大学(独)、E・ハーン氏との連携他
チュラロンコン大学(タイ)、スワタナ・タカニティ氏との連携
(6) 進め方: 2004年 基礎調査:ドイツ及びタイ事例調査
研究交流セミナー:ドイツ、タイからの講師を招いてのセミナー
2005年 計画論の検討WS:日本におけるドイツ年におけるWSの企画
愛知万博におけるWSの企画
2006年 計画立案:エコ地域デザインのコンテスト
実験的なプロジェクトの提案
2007年以降 計画の実現に向けた実践的検討
(7) 2004年度の研究活動
6月 都市生態学チームの編成、発足
7月 国内調査の開始:雨水サンプリング調査、都市水系構造比較調査
8月 海外調査の準備
9月 海外調査:ミニセミナー、雨水システムチェック及び雨水サンプリング
10月 報告セミナー、及びまとめ
11月 シンポジウムの実施:雨水規格化セミナー他
12月 シンポジウムまとめ
1月 研究交流セミナー準備
2月 研究交流セミナーの実施
3月 報告書のまとめ
(8) 共同研究員
大沢幸子: 翻訳者、環境ジャナリスト
ユルゲン・ヴィッチストック: 慶応大学及び都立国際高校講師、環境教育
渡辺孝憲: タニタハウジングウエア雨水事業部長
太田原茂樹: 東洋紡エンジニアリング科学機器事業部雨水開発担当
ウィルヘルム・ユリ子・メームケン+ユリ子: ECOS(エコ・コンサルタント)
クラウス・ケーニッヒ: 建築家、fbr(ドイツ雨水利用専門家集団)理事
山口日出夏: デラウエア大学(米)、環境エネルギー政策
伊藤美保: 翻訳者、日本建築学会水環境小委員会雨水WG ほか予定
【エコプロジェクト2 都市微気象】(○出口清孝・Dominique Groleau・佐藤 典人)
2.水辺地域の温熱・空気環境解析 (出口清孝・Dominique Groleau)
(1)目的: 水辺地域の特性を温熱環境・空気環境の面から,机上予測・実測調査・数値シミュレーションから解析し,非水辺地域との比較より水辺の特性を明らかにする。
(2)対象: 1) 東京の水辺
2) 海外の水辺地域: タイを中心とする東南アジア,
3) フランスを中心とするヨーロッパ
(3)研究計画:
1) タイ高床住居の予備調査(2004年7月上旬)=実測住居の特定
2) タイ・河川沿岸住宅周辺の実測(広い範囲の同時測定)=(2004年8月前半)
3) タイ・河川沿岸住宅周辺の実測(続) =(2004年12月予定)
4) 高床式住居の換気量測定(日本・リトルワールド)=9月
5) フランスを中心とするヨーロッパの研究者の動向と研究協力の確立(2004年12月)
6) 東京の川沿い地域の微気象測定: (2005年度・2006年度実施)
7) ヨーロッパの水辺地域の環境特性の実施(2005年度・2006年度)
8) 東南アジアの水辺地域の温熱・空気環境シミュレーション(2005年度〜07年度)
9) ヨーロッパの水辺地域の温熱・空気環境シミュレーション(2005年度〜07年度)
10) 地図・地形プロジェクトとの検討(2005年度・2006年度)
11) 歴史・再生プロジェクトとの比較・検討(2006年度・2007年度)
12) 温熱環境・空気環境を考慮した再生プロジェクトの在り方(2007年度・2008年度)
【エコプロジェクト2 都市微気象】
3.水辺都市の大気構造の把握と解析(佐藤 典人)
(1)研究計画
1) 文献研究ならびに分担研究課題の位置づけの明確化
2) 分担研究課題を遂行するための五ヵ年計画の内容の詳細検討
3) 分担研究課題に適合する具体的な調査地域選定: 予備的現地調査・準備
4) 分担研究課題に適合する具体的な調査地域における小機構調査実施、結果の整理
【エコプロジェクト3】
4.水文学−水循環・水資源 (小寺浩二・松下潤)
(1)目的: 都市における水辺空間」の環境・生態系について、地質・地形等の形成過程や水循環をベースにした水文学、海洋・陸水学の視点を中心にした調査・研究により明らかにし、将来の水資源利用の変化などを踏まえた循環型の水辺都市のあり方を提案する。
(2)研究計画
2004(平成16)年度:プロジェクトの研究体制を確立し、研究対象となる地域・都市を選定した上で、水辺環境データベースを作成する。
2005(平成17)年度:データベースをもとに、さらに具体的な情報を収集するとともに、日本における代表的な臨海部や河川の都市を対象とした現地調査を実施する。
2006(平成18)年度:海外の優れた事例を中心に調査・研究し、水辺空間の再生に対する地理学的な手法の有効性を提示する。
2007(平成19)年度:上海・バンコクなどのアジア諸都市の都市を対象に、地理学的な手法を用いた水辺環境データベースを作成し、現地調査も実施する。
【再生プロジェクト1 】
5.地図情報学(○森田 喬・Milan Konecny)
(1)目的:歴史プロジェクトとエコプロジェクトの研究成果を地図情報としてまとめ,再生計画に必要なデータを系統的かつ有効な方法で提供する。
(2)情報内容: 1) 物理的地形情報
2) 歴史・エコロジー情報
(3)情報表現: 1) 2D情報
2) 3D情報
3) 4D情報(変化)
(4)対象地域: 1) 東京(江戸・明治・大正(関東大震災)・昭和(戦災)・平成)
2) 東南アジア
3) ヨーロッパ
(5)既存資料: 1) 地形図データ
2) レーザー標高データ
(6)新規作成データ: 編集・加工
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