2004年に設立された本研究センターは、これまで地域の歴史とエコロジーを結びつける独自のアプローチから、江戸・東京、ヴェネチアなどの都市を「水都」という概念で多角的に研究し、様々な成果を発表してきました。
黎明期からのこうしたストックを基盤として、現在、本研究センターは文理融合の学際的アプローチにより、自然環境を基盤として成立する産業、文化、食、建築、景観、コミュニティなどの地域構造を総体的に把握し、都市と農山漁村の関係性も重視するイタリアの「テリトーリオ」という考え方を手がかりとした研究を行っています。
学外の研究者や実務家、諸団体との連携により、イタリアと日本のケーススタディを展開しながら、さらに地域のデザイン戦略について積極的に社会に発信し、特に東京都千代田区、千葉県香取市、岩手県等の地域とは協働実践も進めています。
人口減少、気候変動、巨大地震など、地域の持続可能性の複合的危機に直面している現代において、本研究センターは、法政大学が掲げる「自由を生き抜く実践知」を体現し社会に貢献します。
エコ地域デザイン研究センター長 小島 聡(法政大学 人間環境学部 教授)