『イタリアの中世都市 -アゾロの建築から領域まで』

陣内秀信(伊藤毅編)
出版社:鹿島出版会
2020年4月

目 次

序 アゾロへの視点
第1章 テッラフェルマの風景
第2章 ヴェネトの都市と領域
第3章 アゾロの都市形成
第4章 アゾロの建築
第5章 アゾロの領域と風景

イタリア・ヴェネツィアの北に位置する、美しい丘陵都市アゾロ。ここはかつてヴェネツィア共和国の大陸領土(テッラフェルマ)と呼ばれた地域にあって、近代化による発展で姿を変貌させることなく、農業を基盤とした地域構造が残り、現代まで中世の古きよき街並みが保たれている。文人ピエトロ・ベンボ、キプロス女王カテリーナ・コルナーロ、詩人ロバート・ブラウニングらに愛された歴史的な都市を対象に、日伊の建築学・歴史学・地理学の専門知を結集させ、新たな領域史の方法にもとづいて、丘陵地帯の裾野で展開する領域形成と再編成の過程をたどる。