『東京水辺散歩 ~水の都の地形と時の堆積をめぐる』

陣内秀信,松田法子,齋藤彰英 著 /A5判/240ページ/定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN: 978-4-297-13095-4
2022年10月27日紙版刊行(2022年10月25日電子版刊行)

東京は凸凹地形であると同時に,水都ととも表現されるように,水との関わりが深い都市です。

江戸時代には水路が江戸市街を縦横に走り,人々は舟を日常の交通手段や輸送手段として活用していました。多くの水路は高度成長期に埋め立てられてしまいましたが,その痕跡は今も街のいたるところに残っています。

また,意外と知られていませんが,東京には今もあちこちに湧水が存在しています。水の湧く場所は古くから人が活用してきた場所でもあり,古代より人の生活の場所でもありました。

本書では,東京の隠れた魅力である水辺に注目し,都心・下町のエリアはもちろん,巨大都市の西側に広がる山の手,さらにその外側の武蔵野台地,そして多摩地域にまで意識を拡大し,時空を超えて,東京に潜む「水の空間」のユニークな姿とその面白さを描き出そうと目論んでいます。表層的な部分だけでなく,その下に埋もれた地層や,湧水地のもつ本来の意義から都市の生態系を考察していく,アタマとカラダで楽しむお散歩ガイドブックです。

目 次

第1章 都市と水辺
人がつくった都市の水辺(陣内秀信)
 01 隅田川
 02 日本橋川〜神田川
 03 内濠と外濠
 04 小名木川と深川
 05 東京湾

第2章 東京の湧水
湧水から探る東京(松田法子)
 01 王子~赤羽
 02 大井町~大森
 03 等々力渓谷〜多摩川台公園
 04 お鷹の道~野川
 05 落合~目白崖線

第3章 東京の水源
東京礫層 東京の地下に広がる太古の水辺(齋藤彰英)
 01 武蔵野三大湧水池
 02 羽村~狭山丘陵
 03 青梅~御岳山

第4章 東京の水辺の未来
水の郷・日野(編集部)
 01 豊田用水~黒川水路