難波匤甫 著
四六判/280ページ/定価:3,200円+税/法政大学出版局
ISBN:978-4-588-78002-8 C0321
2010年4月刊行
「内川廻し」とは、銚子から利根川・江戸川を経由して江戸東京にいたる航路のことである。江戸時代から戦前まで、この航路は地域間交流の幹線として、江戸東京の発展に貢献した。著者は、この航路を実地にたどり、船遊びや潮干狩り、両国の花火、にぎり寿司や浅草海苔をはじめとする「江戸前」の食生活など、水際に展開した多彩で豊かな文化の記憶を掘り起こしつつ東京の水辺再生を提言する。
目 次
はじめに
序 水際の文化との出会い ・・・・・ 1
1 かつての水際
2 水際の文化の多様性
Ⅰ 内川廻しのターミナル・江東 ・・・・・ 11
1 内川廻し探訪への招待
2 出航
3 江戸の拡大
4 江東とは
5 船と船荷と船頭
6 荒川河口
Ⅱ 江戸川の河岸 -行徳・市川・松戸・流山・野田・関宿 ・・・・・ 53
1 旧江戸川を往く
2 内川廻しの成立と発展
3 内川廻しの河岸と地場産業
4 行徳
5 市川
6 松戸
7 流山
8 関東平野の地勢と勢力圏の変化
9 利根川東遷
10 野田
11 関宿
Ⅲ 利根川中流の河岸 -栗橋・古河・境・取手・布川・木下 ・・・・・ 135
1 栗橋
2 古河
3 境
4 取手
5 布川
6 木下
Ⅳ 内川廻しの一大拠点 -佐原・小見川 ・・・・・ 171
1 佐原
2 小見川
3 佐原と小見川の比較
Ⅴ 利根川下流の河岸 -息栖・銚子 ・・・・・ 223
1 息栖
2 銚子
Ⅵ 川文化の再考 ・・・・・ 239
1 内川廻しから見えてくるもの
2 防潮堤の功罪
3 舟運復活への歩み
おわりに ・・・・・ 265
図版出店一覧
参考文献