オープンスペースの空間人類学 『アナザーユートピアー「オープンスペース」から都市を考える』 


著者:陣内秀信(槇文彦・真壁智治編著)   
出版社:NTT出版
2019年3月 発行

建築家・槇文彦は近年の論考「アナザーユートピア」で、これまでのように建築から都市をつくるのではなく、「オープンスペース」――広場、路地、道、空き地、原っぱ、等――を中心につくることが、都市の未来、賑わい、人々の交流をつくるのではないかと主張し、都市・建築分野を超えて、多分野の人に取り組んでほしい課題として問題提起をした。

本書では、槇の問題提起を受け、さまざまなジャンルで活躍する若手からベテランまでの17人が、それぞれの角度から「オープンスペース」という概念を深めることで、2020年以降の日本の都市のあり方に一石を投ずる。

目次
 巻頭 アナザーユートピ――槇文彦
 序論 「アナザーユートピア」への誘い――真壁智治

 I オープンスペースを考える
  1 原っぱの行方――青木淳
  2 オープンスペースの空間人類学――陣内秀信
  3 オープンスペースとコミュニティ――広井良典
  4 都市計画と広場――中島直人

 II オープンスペースを調べる
  5 オーナーシップ、オーサーシップから、メンバーシップへ――塚本由晴
  6 都市の「すきま」から考える――北山恒
  7 誰のためのオープンスペースか?――平山洋介
  8 法の余白、都市の余白――水野祐

 III オープンスペースをつくる
  9 空であること――手塚貴晴・手塚由比
  10 空き家・空き地と中動態の設計――饗庭伸
  11 都市に変化を起こすグリーンインフラ――福岡孝則
  12 オープンスペースを運営するのは誰か?――保井美樹

 IV オープンスペースをつかう
  13 100㎡の極小都市「喫茶ランドリー」から――田中元子
  14 ストリートは誰のものか?――泉山塁威
  15 身体の違いがひらく空間――伊藤亜紗
  16 アートとオープンスペース――藪前知子

 総論 「オープンスペース」から夢を描く――槇文彦
 あとがき――真壁智治