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第6回 日野プロジェクト勉強会
テーマ:「日野のまちづくり-2」

日時:2007年1月30日13:30〜15:30
場所:法政大学小金井キャンパス西館6階都市デザイン工学科演習室6022

 

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報告者:小笠俊樹(日野市環境共生部緑と清流課)
テーマ:「清流条例の可能性−日野市及び全国の事例から」

 日野市では「清流保全−湧水・地下水の回復と河川・用水の保全に関する条例(通称清流条例)」を平成18年10月に施行した。昭和51年の年間通水を目的とした「日野市公共水域の浄化に関する条例」を全面改正したものである。市内の河川、用水、ビオトープなど全ての水辺を対象として、保全箇所の指定や保全方法、開渠箇所の指定や支援する活動団体の指定など具体的内容を施行規則で規定している。改正にあたり全国の事例を調査した。昭和49年に仙台の「広瀬川の清流を守る条例」が全国初の清流条例で工場排水の規制、罰則などもある実験的条例。しかし河川管理者との調整や財産権行使についての法的配慮はない。高知県の鏡川清流保全条例や四万十川清流保全条例では河川管理者の調整を行い制定。基礎自治体の条例から流域自治体での条例制定としては宮崎県の大淀川、熊本県の菊池川、奥入瀬川、四万十川などがある。清流保全条例の意義としては、河川法などの制約はあるが憲章型、理念型とはいえ基礎自治体としての意志確認・表明である。多摩地域ではあきる野市の清流保全条例がはじめてであるが精神的条例である。用水に関しては「金沢市用水保全条例」があり、景観や開渠化、年間通水、用水保全のための技術的・財政的援助、愛護協定などを盛り込んでいる。地下水保全に関しては全国的にあるが、湧水に関しては平成16年小金井市が全国初の「地下水及び湧水を保全する条例」を制定した。生活者ネットを中心とした議員立法である。浸透ますの設置は世界有数である。東久留米では「湧水・清流保全条例」、平成13年には小平市では「小平市用水路条例」などがある。地方分権化に伴う水路底地の国から市への払い下げが条例制定のきっかけである。平成8年の日野市の「普通河川等管理条例」は分権化前に制定したのは前市長の上位機関へのアピールもあった。
 日野の主な水辺再生の取り組みについて紹介する。よそう森公園は区画整理に伴いU字溝の用水路の計画を市民などの働きかけで2500m2の水田公園として素堀の水路を再生させた。水田は近くの学校や市民の農業体験として利用されている。緑と清流課にいた職員が区画整理課に移ったことも実現に繋がった。区画整理地の水路は2割ほどしか残らないがここではほぼ同じ長さを維持できた。浅川と程久保川合流点では市民提案のワンドをつくった。一級河川の護岸を壊し自然護岸とした。平成元年から湧水調査も実施している。平成8年には湧水をつなぐというフィールドミュージアム構想もある。平成14年に湧水水辺保全利用計画を策定した。丘陵地や崖線など緑地保全については8年間で8haほど公有化した。日野市内には東京都の名湧水とし黒川や小沢緑地など3カ所ある。用水守制度を平成14年度から設け、現在50団体で500人ほどがボランティアで参加している。

   

 

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