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地域マネジメントプロジェクト 第2回研究会

日時:2004年10月15日 15:00〜
場所: 法政大学 市ヶ谷校舎ボアソナードタワー25階 会議室B

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『ウォーターフロント開発のソフトウェア − 地域マネジメントの視点から −』 川端直志
(株式会社 地域研究所ケイプランナーズ 所長)
都市部における開発の中でもウィーターフロント開発は,都市内部における開発と基本的には同じ考え方といえるが,海という水辺へのアクセスの豊かさが重要な点となる.欧米でのインナーハーバーの再生は,60年代からであり70年代にはかなりの数の開発計画が出され、80年代の初めには次々と完成していった。ここ日本においては,沿岸域の概念として1977年の第3次全国総合開発計画で登場しているが,主にバブル期にあたる1980年代中頃から注目を浴びている.このような経緯を経た現在の経済の低成長時代における,地域の豊かさを実現するためのあり方を,地域マネジメントの視点から特に住民参加,自治体経営などを中心に国内外の事例から,今後の計画への考え方と方向性を示した.
欧米と日本ではその変遷の特徴には差異があるが主に第1〜4類に分けられる.第1類インナーハーバー再生,第2類複合開発,第3類土地利用と産業政策とのリンク,これらを経て現在持続可能な成長を視野に入れた広域連携,広域環境インフラ,充填型整備,そして市民参画といった第4類に至っている.
近年の開発における地域管理としては,「事業手法・管理手法」と「都市・地域計画」が相互に作用しているため2つの視点をもつ必要がある.前者においては,特に公民協力のあり方が事業の成功もしくは失敗を左右する傾向にある.また,水域と陸域を関連させていきながら行った開発としては、日本でも横浜市が先駆的であり,横浜みなとみらい21事業のように,今までの事業が短期5、10年だったものをもう少し長期的な戦略を計画の中に組み込んでいる。後者では、プロセス型(非MP型)計画として暫定利用という考え方が出てきている。産業・雇用政策という点では,神戸市などが重点的に考慮している。
海外の事例として,サンフランシスコ湾岸ベイ・トレイル計画においては,開発の許可権限を有しているサンフランシスコ湾保全開発委員会(BCDC)が問題を提示し,ベイエリア自治体協会(ABAG)は,湾岸地域全体の社会的、環境的、経済的な課題に実践的に対処する組織であり、主に全体計画の、調整と助言を行っている。この事業における市民参加は,日本との違いは様々な点においてあるが,ボランティアのあり方として,政治家への問題提起を主な活動としている.そして,寄付金の収集や資金調達として関連商品の販売などを行っている.
今後の日本におけるプロセス型地域開発手法の導入として,(1)社会実験的地域開発がトリガー,(2)新しい経営主体と新しい評価基準,(3)公共と民間の事業区分が消滅,(4)「公共事業に競争原理を導入」し「民間事業にフィランソロピー資金を導入」,(5)補助金システムの再編と予算編成システムの改革の必要性を提言した.

 

   

 

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