新着情報
当研究所のコンセプト
プロジェクト
出版物のご案内
参加メンバー
インフォメーション
リンク
サイトマップ

歴史プロジェクト アジア コアリーダー 高村雅彦


アジアの水辺都市の形成過程と再生に関する研究


1.研究目的
本研究は、中国および東南アジア諸国の水辺に形成された都市を対象に、いかなる過程を経て形成されたのか、またどのような再生がなされているのかをフィールドワークならびに文献資料の分析の両面から明らかにすることを目的としている。調査研究の重点地域としては、天津・通州・北京を結ぶ海河流域、上海・寧波・杭州からなる江南地域、香港・マカオ・広州が点在する華南の珠江および潮州沿岸の港市、ベトナムのホーチミン・カントーが立地するメコンデルタ、タイのアユタヤ・バンコク・アンパワーが展開するチャオプラヤー流域を主な対象とする。また、個別の都市としては、シンガポール、フィリピンのマニラ、マレイシアのペナン・ジョホールバル、ベトナムのフエ・ハノイが研究の対象となる。


2.研究の視点
これらの都市は、川を基盤とする内陸部の河川都市と、海岸に形成された港湾都市に大きく分類できる。しかしながら、17世紀以降に大きく発展を遂げる重点地域の都市群については、同じ河川流域の中で、いかなる水域ネットワークによって成立、形成されたのかを一体として捉えることが重要な視点となる。同時に、これらの都市は、前近代の水域を中心としたアジア地域のネットワークの中で河川や沿海航路によって強く結ばれており、とりわけ19世紀には西欧諸国による植民地化や華人、インド人などの移民によって急激な都市化を経験し、水辺を生かしながら現在にまで連続する都市の基盤を作り上げてきたという共通した歴史を持つ。しかしながら、従来、こうした地域では、植民地都市、交易都市など、各都市の一側面にしか関心が向けられなかったことに問題がある。本研究は、それぞれの都市の形態、街路パターン、街区構造、敷地割りから、王宮や寺廟、市場などのさまざまな都市施設、住宅、店舗に至るまでを総合的に調査し、相互比較を行いながらその特質を明らかにして、水辺を中心とした新たなアジア世界の都市性を考察するための基盤を創り出すことに大きな意義がある。


3.研究計画・方法
平成16年度 「水域ネットワーク都市の空間構造の比較のための学術調査」
平成17年度 「移民の『開拓地都市』という概念による『植民地都市』との相対化のための学術調査」
平成18年度 「水域ネットワークの都市間関係モデルの構築のための学術調査」
平成19・20年度 「水辺空間の再生に関する学術調査」


【平成16年度の研究計画・方法】
主に8月と3月に、グループ制によるフィールドワークを中心とした現地調査を実施する。事前調整と現地調査、及び補足調査では、海外共同研究者との間で密接な連携を取る。
平成16年度は、重点地域となる海河流域、江南地域、珠江および潮州沿岸、メコンデルタ、チャオプラヤー流域を主な対象とする。
これらの都市を対象に「水域ネットワーク都市の空間構造の比較のための学術調査」を進めるためには、[1]水域ネットワーク上の都市モデルの伝播―水域に沿って類似した空間構造を持つ都市の分布、[2]なぜ水域か―前近代アジア地域のネットワークは水域が中心、[3]都市を形成するモデルは何か、[4]空間構造の類似性を判定するための要素―権力施設、共通した都市施設、都市を構成する要素(市場、媽祖廟、ショップハウス、里弄)、都市施設の配置、街路パターンの四つの点を明らかにすることを目標とする。

 

>top
 >home=news
  >project
   >project concept
    >asia
 
 
 
 
 
 
 

 

Copyright(c) Laboratory of Regional Design with Ecology, Hosei University  All rights reserved